平均寿命から健康寿命へ
日本人の「平均寿命」をご存知でしょうか。厚生労働省の2019年の発表では男性81.41歳、女性87.45歳です。
日本は世界有数の長寿国です。しかし近年は「平均寿命」よりも「健康寿命」を伸ばすことが大事という考え方が世の中に広まっています。
心身ともに自立して健康に過ごせる期間、それが「健康寿命」です。健康寿命は、単に寿命を延ばすのではなく、健康に長生きすることを重視するという考え方に基づいて、世界保健機関(WHO)によって2000年に提唱されました。
平均寿命と健康寿命の違いとは、言い換えると「何歳まで生きられるか」と「何歳まで健康で生きられるか」との違いということです。
日本の2019年の健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.79歳で、男女ともに世界の上位でした。
しかし平均寿命と健康寿命の差は世界30位台なのです。
すでに平均寿命と健康寿命の年齢差にお気づきかと思いますが、男性では平均9年、女性では平均12年の期間が介護を受ける期間ということになります。
健康寿命が短くなる原因
寝たきり等によって介護を必要とする大きな要因としてロコモティブシンドロームという言葉があります。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)とは、骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害を来たす状態のことをいいます。
20歳ごろを過ぎると少しずつ筋肉量が減っていき、40歳を過ぎると毎年1%ずつ減り続けると言われています。あまり運動をしないで過ごした場合、20年後には20%、30年後には30%の筋肉が減ると言われています。
70歳代では20歳代の4割程度に減少してしまいます。
老化を止めることはできませんが、筋肉だけは例外で、トレーニングをすれば、何歳からでも筋肉量を増やし、機能を高めることができます。
筋肉量の維持は、若々しさを保つためにも不可欠ですし、転倒したり、病気にかかったりするリスクも減らすことができます。また、筋肉量が多いほど長生きできることもわかってきました。
健康寿命を伸ばすには
健康に長く過ごすために、定期的な体のメンテナンス(鍼灸マッサージなどの治療)も大事ですが、自分の日々の体調を把握して、少しずつでも筋肉量を維持する努力をすることが大切です。
私の場合、毎日のルーティンとして行っているのは、朝のラジオ体操です。最近はYouTubeで「ラジオ体操第一」を見つけることができるので、家でも簡単にラジオ体操をすることができます。
ラジオ体操は誰にでもできる比較的簡単な体操ではありますが、毎日やるかやらないかで大きな違いになります。色々な動きをリズミカルにしますので、どの動きが硬く伸びにくいか、左右の差や、痛みの有無、今日の調子や、自分の柔軟度を知ることができます。
毎日やるからこそ、自分の体の状態を把握することができます。皆さんもまずはそこからやってみてはいかがでしょうか。
イグナル鍼灸院としてやっていること
イグナル鍼灸院では、施術後にお客様の体の状態に応じて、家でできるストレッチや筋トレ方法などをお伝えしています。
年齢や患部に応じて、適切なアドバイスをしていますので、気になる箇所などありましたら、気軽にご相談ください。