ひざの軟骨も骨も痛みを感じる神経は存在しない
病院でお医者さんに、こんなことを言われたことはありませんか?
「加齢によって関節が変形して軟骨がすり減っているからしょうがないですね。痛み止めの注射とお薬を出しておきます。」
なんだかそれらしく聞こえるので納得してしまいそうです。
しかし、実のところ軟骨がすり減ったところで、ひざの痛みとは関係ありません。
膝の軟骨と骨には、痛みを感じる神経が走っていないのです。
神経がないということは何も感じることはないということです。
ではそのひざの痛みは、いったいどこからくるのだと思いますか?
下の図は、右膝を真上から見た断面図です。(上が膝のお皿、下が膝の裏にあたります)
図1
痛みを感じる神経は図の赤い部分に多く、緑色の部分にも少し存在します。
ここはクッションの役割をしている半月板と言われるところです。
膝の痛みは、この赤と緑の部分で感じます。
次に痛みの原因を説明します。
変形性ひざ関節症の原因
通常、荷重は半月板の中央にかかるため、痛みは感じません。
何らかの原因によって半月板がずれたり(※1)、体重のかかる場所が変わると半月板の辺縁部(図1の赤、緑の部分)に荷重がかかり痛みが出ます。
原因としては、太腿の筋肉の緊張、筋活動の異常、筋肉の質の低下などです。
そして、これに伴う姿勢の変化による膝関節のアライメント(骨配列)の変化が挙げられます。
※1:半月板をずらす筋肉
半膜様筋(赤色の➡):緊張により内側の半月板を後方に引っ張る。
膝窩筋(青色の➡):緊張により外側半月板を後方に引っ張る
中間広筋(黒色の➡):筋活動の低下により半月板が後方に引っ張られる
当院の治療例
半月板がずれている状態を正常に戻すことが治療の主な目的となります。
半月板をずらす元となる筋肉(殿筋(おしりのほっぺ)、ハムストリング(太腿後面)、膝窩(ひざの真裏)、大腿四頭筋(ももの前側))のうち、固まっている筋肉をマッサージでしっかりとほぐします。
そして膝蓋骨(ひざのお皿)周りの筋肉、靭帯をグラストンでほぐし、大腿膝蓋関節(お皿の下面と大腿骨の接地する部分)の動きを良くします。
関節にストレスをかけている筋肉をほぐし、ストレッチをかけて伸ばし、膝のお皿の動きを滑らかにしてあげる事で痛みを緩和することができます。
疲れにくくするためには筋肉の持久力も必要です。セルフケアの方法もお伝え致します。
Aさんの場合
変形性膝関節症で人工関節の手術をする予定だったAさんの場合、ご友人の紹介で当院を知り、一旦手術をキャンセルされました。
手術を回避できる可能性にかけ、ダメで元々という覚悟で、当院でグラストン治療を根気よく続けられました。
膝だけではなくO脚によって大殿筋(お尻のほっぺの筋肉)の短縮がおこります。
このことにより膝関節に余計な負担がかかり症状が悪化する場合があります。
その他、膝関節に悪さをする筋肉があります。
例えば、太ももふくらはぎの筋肉は、拘縮により膝関節に痛みを引き起こします。
これら悪さをする筋肉へのアプローチも必須です。
Aさんには自宅でのセルフケアも頑張って頂きました。
来院する前は、歩行も痛々しく、かばった姿勢で腰は曲がり、ご主人が心配されていました。
治療を頑張って来て頂いた結果、日常生活では大きな支障もなく、姿勢も改善しご趣味でもあった海外旅行にも不安なく行くことが出来るようになりました。
まだ正座は困難であるため、現在も月に1回、ご来院いただいております。